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【CHINA】日中間の出入国問題の現状について

2021.02.26

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日中間の出入国の現状と個人所得税問題について

2021年3月11日更新
2月26日付ブログより一部updateしております。

※ 本ブログは 株式会社BPアジアコンサルティング の原稿提供により掲載しております。

日本では非常事態宣言により新規感染者を抑え込む努力がなされていますが、長引くコロナ問題により、日中間のビジネス往来への影響も無視できません。
そのような中、日中間の出入国の現状(2021年2月現在)はどうなっているのでしょうか。

中国ビザの現状

2020年9月28日より工作(駐在)の有効な居留許可を持つ外国人は、新たなビザを取得することなく中国への入国が可能となり、居留許可を維持できている駐在員は入国管理上日中間の移動が可能となりました。

しかし、日本帰国中などに居留許可が失効してしまった駐在員などに対する救済措置(失効居留許可によるビザ申請)はまだ運用がなされておらず、この場合後述のように新規ビザを取り直す必要があります。

ここで中国当局の特別招聘状(PU)による新規ビザ(M・Z)の取得については、各省・直轄市によってPU取得の難易度に差異があるものの取得事例は増えてきており、これをもって中国入国を果たす方も増えてきています。

ビザの種類は通常出張=Mビザ、駐在=Zビザであると思います。
しかしZビザは中国入国後30日以内に居留許可を取得する必要があり、現状では14日待機問題、また地域によっては追加待機が求められ(後述参照)、現実的にZビザでは30日以内居留許可取得が厳しいケースもあります。この場合、30日以内居留許可問題のないMビザにて入国後、Zビザに切り替えるなどの工夫・調整が必要なケースもありますのでご注意ください。

* 家族帯同及び親族訪問も対象となりますが、本書では省略します。

14日待機の現状

中国入国後は中国当局が指定するホテルなどで14日間の待機が強制されます(一部では自宅での待機も可能。但し、同居者の有無やマンション管理委員会の許可などの制限あり)。

しかし地域によっては追加待機(プラス7-14日)が求められるなどがあり、これが中国への短期出張、また駐在員の日本出張の大きなハードルとなっています。(もちろん日本帰国後の日本での14日間自主待機問題も負担となっています)
加えて、中国でのホテル滞在費用も個人負担であり、費用面の負担も大きくなります。

ここで中国の追加待機について、例えば北京では外国から入国すると14日、中国国内の他の省・市から移動してくる場合7日の待機を求めています。
現在日中間で北京直行便がないため、例えば成田-大連で中国入国した場合、大連で14日待機、その後北京へ移動して北京で追加7日と、合計21日もの待機が必要となってしまいます。
これを回避すべく、第三国経由(例:HKなど)で北京入りする方法も考えられますが、後述の陰性証明問題もあり、今後の日本-北京直行便の復活に期待することろです。

ここで中国の追加待機について、例えば北京・広州では外国から入国すると14日+7日の追加待機(合計21日)を要請しています。(追加待機の状況は流動的ですので、各市の状況にご注意ください)
現在日本-北京直行便がなく、早い北京直行便の復活が期待されますが、現在の状況であれば、北京直行便での入国は追加待機が求められることとなり、ジレンマが残ります。
なお、第三国経由(例:HKなど)で直接北京入りする方法も考えられますが、後述の陰性証明問題もあり、第三国経由での中国入りは現在できません。(3月11日更新)

また、日中間のビジネストラック(一定条件をもって14日待機を免除)の導入については、日本の非常事態宣言もあり、その後具体的制度導入の動きはなくなっております。

陰性証明問題

日本から中国への直行便の搭乗には、日本搭乗前2日以内のPCR検査及び抗体検査のダブル陰性証明の取得が必要です。
これは書面取得だけでなく、中国当局指定のサイトにアップロードし、QRコードの取得までが必要ですのでご注意ください。

一方中国から日本への直行便搭乗には、中国搭乗前72時間以内のPCR検査陰性証明が必要です。但し、日本の場合は書面のみでよく、また抗体検査も要求されていません。

ここで第三国経由(例:HKなど)の場合はどうなるのでしょうか。
例えば北京→HK経由→成田の移動では、同じエアラインでHKでの預け荷物のピックアップがなく、且つHKに入国しない場合、北京での陰性証明をもって成田までの搭乗が可能ですが、しかし逆ルートでは搭乗を受け付けないとのことです。またエアラインが異なる場合や他の地域を経由する場合など様々なケースによって可否は変わると思われ、搭乗するエアラインにて事前確認をしておく必要があります。

エアライン・チケットの現状

現在各エアラインで原則週1便/各地の運航となっており、チケット取得困難、また価格高騰などから、コロナ以前状況と比べハードルが高い状況が続いています。

また2日以内陰性証明の取得のため、現実的には週明けの便への搭乗が困難など、更にハードルが高まります。

なお日本ではトランジットの規制をしていないため、第三国から日本経由で中国入りする外国人が多いとされ、これが日中間のエアチケット取得を困難にする要因の一つとなっていましたが、前述の2日以内陰性証明の取得が必要となったことを受け、このような旅行者が減少=日中間エアチケット取得が容易になってきたと言われています。

中国の市民生活の状況

なかなか新規感染者数が減少しない日本に比べ、中国での新規感染者数は数名-10数名/日程度と、人口規模から比べると驚異的に少ない状況です。この差は一体どこにあるのでしょうか?

中国でも国産ワクチンの接種が始まりましたが、その規模はまだごく一部であり、社会免疫の構築にはまだ時間がかかる見込みです。またワクチン接種開始前においても新規感染者数は少なく、ワクチン接種が感染者数を抑え込んでいたわけではない模様です。

中国の有効性に健康アプリによる管理が挙げられます。日本も同様のアプリはありますが、中国の場合グリーンQRコードがなければ入ることができない建物や施設が多く、結果アプリをインストールしている人口数も多く、これが有効に機能していると考えられます。

万一感染者が発生した場合、その一帯(マンション、施設など)にて一斉PCR検査を実施する、自宅待機を実施するなど、拡散防止の運用が厳格です。このため居住マンションにて感染者が出たため、巻き添えで社員が出社できなくなった、という話もよくあります。

また飲食店でも持ち帰りサービス(中国語:半産品)などにより店内飲食を減らす、これを利用する市民も多いなど、細かなコロナ対策も積み重ねています。

中国と言えば政府による強力な施策がフォーカスされがちですが、市民のコロナに対する意識の高さがこれを支えているのだと思われます。

日本でもワクチン接種が始まりこれに期待する面もありますが、ワクチン接種は一つの方法であり、ハード・ソフト両面でのコロナ対策により、感染者数減少を実現できればと思います。

日中間の出入国の状況がよりよくなることを期待しています。

以 上

 

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