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タイ歳入局 移転価格に係る法令ドラフト公表(2017年7月)

2017.07.18

タイ歳入局より、移転価格に係る法令のドラフトとして、内国歳入法本法への追加という形式での草案が、一般納税者の意見を求める形で公表されました。従来より、歳入局内の運営指針として、非法令化の状態であった移転価格税制に係る規定ですが、いよいよ法令化に向けて進むことになりました。

内容としては、関連会社間の取引情報を求めることを法令化したもので、当局権限で移転価格文書を納税者に提出させることができるようになります。

草案からは、同時文書化(法人税の申告期限までに移転価格文書を提出させるもの)まで要求してはいないと読み取れますが、財務省令で規定される関係会社間取引額を超えることとなった場合には、移転価格文書の準備が実質的に必要となったと考えても良いように思います。

施行等、今後のスケジュールは未定ですが、次の動向が有り次第、このブログで報告致します。

内国歳入法 第71条の2 第1項(草案)

税務当局は、関連会社間の取引が独立企業間価格でないと判断した場合、法人税算定上、収益および費用の額を更正する権利を有する。

移転価格に係る更正を行う際は、タイ国と他国政府との国際基準および国際条約を考慮した財務省令に定める基準、方法、条件に従い、条約当事者の二重課税の回避も配慮される。

内国歳入法 第71条の2 第2号(草案)

「関連会社」とは、株式を直接的または間接的に50%以上の株式を保有している親子あるいは兄弟関係にある会社を言う。加えて、財務省令で規定される株式保有関係、マネジメント関係、管理支配関係などにより独自に意思決定できない関係となる場合も含まれる。

内国歳入法 第71条の2 第3号(草案)

税務当局が、同条第1号に従って、関連会社の法人税算定に係る収益および費用の額を更正する権利を行使した場合においてのみ、還付請求に係る期限を規定する。この場合、還付請求は、税法で規定されている法人税の申告書提出期限から3年以内、または税務調査による収益と費用の額の更正に係る書面通知日から60日以内に限り還付申請が認められる。

内国歳入法 第71条の3 第1号(草案)

財務省令で規定される予定のである一定の取引金額を超える関連会社取引のある企業は、タイ歳入局長が定める報告様式に従い、各事業年度中における関連会社情報および関連会社内取引の金額を報告する。 当該報告書は、内国際入法第69条に規定される法人税の申告期限内に、法人税申告書とともに提出されなければならない。

内国歳入法 第71条の3 第2項(草案)

税務調査官は、歳入局長の承認を得て、一定取引金額を超える関連会社間取引(財務省令で規定予定)がある企業に対し、歳入局長告知に基づく関連会社内取引の移転価格分析に必要な追加の「書類」または「証拠」の提出を求めることができる。

通知を受けた企業は、通知日から60日以内に当該書類等を提出しなければならない。当該期限内に提出できない特別な状況を除き、歳入局長は、当該通知日から120日を超えない期間での延長の検討をおこなう。

内国歳入法 第35条の3(草案)

第71条の3に従い、「報告書」、「書類」または「証拠」を提出しなかった場合、および提出された「報告書」、「書類」または「証拠」が正当な理由なく不完全または不正確であった場合、20万バーツ以下の罰金を科す。

以上について、タイの歳入局は、2017年7月7日まで、公的機関および民間団体ならびに一般納税者に対し、移転価格税制に関連した当該内国際入法の草案に関する意見をWEBSITE経由で求めるものとする。

(オリジナルサイト)

http://www.rd.go.th/publish/27680.0.html