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【特集】新型コロナ関連(COVID-19) THAILAND 国・地域情報 社会保険 

【続報4月24日・タイ】新型コロナウィルス(COVID19)対策・就業関連Q&A アップデート

2020.04.24

タイにおける新型ウィルス(COVID19)就業関連Q&A アップデート

今回の新型コロナウィルスの影響に係るQ&Aを、4月2日にお知らせ致しましたがQ3、4、5、6、8 に補足や修正およびアップデートがありましたのでご参照ください。(赤字)
以下は現在の法令解釈や実務上の取り扱いに基づくものであり、今後さらに変更等がある場合には改めてご案内致します。

Q1
会社付近で感染者が出たため、会社判断により数日間の休暇とした場合(在宅勤務が出来ない場合を想定)、無給休暇とできるか?

A1
従業員の合意があれば無給休暇は可能ですが、実際には合意は難しいと思われます。また、労働者保護法第75条による75%での支払い申請も難しいと考えられます。
通勤手当を勤務日数に応じて支払えるか否かですが、通勤日数に応じて支払う雇用契約とな
っている場合は可能ですが、そうでない場合(殆どのケースかと考えます)は全額支給しなければならないと考えます。

ー 労働者保護法第75条 ー
「使用者が、不可抗力(Force Majeure:その解釈には幅があります)ではなく、その事業に重要な影響を与える何らかの理由により、一時的に事業の全部または一部を停止しなければならない場合、使用者は労働者に対し、労働者を就労させることのできない期間について、事業を停止する前の労働日の賃金の75%以上の額の金銭を支払わなければならない。使用者は、事業停止が開始する日の3労働日以上前に、書面により労働者および労働監督官に対し、通知しなければならない」

Q2
会社が所在するビルで感染者が出たため、ビル自体が閉鎖となり、会社を数日間閉鎖せざるを得なくなり、休暇措置を取った場合(在宅勤務が出来ない場合を想定)、無給休暇とできるか?

A2
ビル側の閉鎖の判断が「不可抗力」に該当するか否かですが、「不可抗力」と考えるのは難しいと考えられ、有給休暇扱いになると考えます。ただし、労使合意した場合はその限りではありません。
また、休暇が数日程度でありかつ、閉鎖しても事業への財政的影響が甚大とはいえないことから、労働者保護法第75条による75%での支払いは難しいと考えられます。

直近では、こういった事態に対応するため、新型ウィルス特別休暇を1-2週間、有給休暇として新設する会社もあるようです。

Q3
外出禁止令が発令されたが、業種柄、自宅勤務することが出来ず、自宅待機を指示せざるを得ない場合にも、給与を支払う必要があるか?

A3
今のところ外出禁止令は、不可抗力であると解釈されているようであり、No Work No Payの原則で無給休暇となると考えられます。
ただし、現在の外出禁止令は夜間(22時から翌朝4時まで)に限ったものであり、この取扱の対象となる事態に至ってないと考えます。

Q4
国からの命令により事業を停止したことでその継続が難しく、仕事柄、自宅勤務での対応も出来ず、従業員を自宅待機させる場合に、給与を支払う必要があるか?

A4
不可抗力(Force Majeure)に該当するため、No Work No Payの原則により支払いは不要と解釈されます。
この場合、国の救済策として、社会保険の被保険者であることを前提に、90日を上限として従業員賃金(上限15,000バーツ/月 x 62% = 9,300 バーツ)の補償を受けることが出来ます。現在のところ、2020年3月から2020年8月の間に事象が生じた場合が対象となります。

Q5
上記の場合で、復業までの期間がよめないことから社員を解雇せざるを得ない場合の扱いは?

A5
解雇1ヶ月前以上の通知 (出来ない場合は、1ヶ月分給与の加算支給)、及び通常通り、解雇補償金(以下の表ご参照)を支払う必要があります。
またこの場合も、国の救済策として、90日を上限として従業員賃金(上限15,000バーツ/月x 62% = 9,300 バーツ)の補償が検討されています。

加えて、社会保険より200日を上限として、賃金の70%(最大10,500バーツ/月)が補償されます。
もし、会社の解雇決定前に、従業員が自主退職する場合は、90日を上限として賃金の45%(最大6,750バーツ/月)の補償となっておりますので、従業員にとっては、会社に解雇してもらうほうが補償が多いことになります。(会社側からすると、解雇補償金を支払わずに済みますので、自主退職を期待すると考えられます)
上記、いずれも、2020年3月から2022年2月の間に事象が生じた場合が対象となります。


Q6
国からの命令ではないが、新型ウィルスの影響により顧客からの注文の激減によって資金繰り悪化が想定されるなど、業務を相当程度縮小せざるを得ないこととなり、自宅待機や交代勤務等の措置をとらざるを得ない場合、従業員への給与の支給はどうなるか?

A6
労働者保護法第75条の手続きを行うことで、通常給与の75%分の支払いが可能と考えられます。ただし、その後のトラブルを避けるため、慎重に判断する必要があります。
この場合、休職日数に応じた所得補償(Q4 に記載)を、社会保険事務所に求めれるか否かですが、給与が一部でも支払われる限り、申請することは難しいと考えます。

Q7
従業員から体調が悪い、若しくは感染の可能性があるのではないかとの報告を受け、休暇を取得させる場合の扱いは?

A7  
病気休暇(若しくは有給休暇)を取得してもらうことになります。

(新型コロナウィルスに関する労働省のガイドライン一部抜粋)

  • 会社が従業員に検査を受けさせ、当該検査結果によって、感染リスクが確認できた場合、保健省の疾病管理局が定める手段に準拠し、当該従業員の労働を止め、労働者保護福祉局のオフィサーに通知しなければならない。
  • 従業員が自ら感染したか、感染した可能性を知った場合、当該従業員は、治療又は検査を受けるとともに、会社に遅滞なく、疾病管理局に通知するよう連絡しなければならない。
  • 従業員が疾病管理局から14 日間、疾病管理局で検査をするよう命じられた場合、当該従業員はオフィサーの命令、指示に従わなければならない。
  • 従業員が感染したか、感染した可能性があり、治療又は検査を受ける必要がある場合、会社は当該従業員が病気休暇又は有給休暇の取得を許可しなければならない。会社の事業場所における疾病の発生を防止する目的で、会社は、従業員との合意に基づき、従業員に無給休暇又は有給休暇を取らせることができる。

Q8 
新型ウィルスに感染し、病院にて隔離が必要となった従業員に対する取り扱いは?

A8  
病気休暇を取得してもらうことになります。
ただし、会社判断により特例的に有給扱いとするケースが現実的かもしれません。

Q9 
病気休暇が30日を超えた場合の取り扱いは?

A9  
30日を超えた部分は無給休暇となります。


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